雲の流れのように。

脊髄腫瘍・大腸憩室出血・くも膜下出血・お腹いっぱい。

くも膜下出血。その①

資料によって違いはあるけれど10万人いれば20人~50人位がくも膜下出血になっちゃうみたいで。

 

4割が死んでしまい3割は重篤な後遺症を持つ生活を過ごす事になり、残りの3割は運の良い死にっぱぐれとして発症前と変わらぬ生活を過ごせるようだ。パーセンテージとしては。

 

それから考えてみると俺は幸運な3割に該当している訳で、無念にも死んでしまった人(その恐怖すら感じること無く)、まさかの後遺症を背負いながら生きている人達よりは間違いなくラッキーな運命だったと言える。

 

29歳の若さで死にっぱぐれてから「こうして生きているのは当たり前の事じゃじゃない。」って考えるようにしてきたし、たまに忘れている自分に気がついたら戒めるようにして来た。

 

でもさ、脊髄腫瘍なんかになっちゃうと「何でだ」「もういいじゃん」って思う。

俺よりキツイ経験をしている人は間違いなくいるだろうけど。

 

 

 

時間が出来て考える事。

くしゃみをしてもトイレで力んでも特に痛みは感じない。

当初より腫瘍が小さくなったことで、神経への圧迫が軽減されているんだと思う。

 

様子を見る事となり、次の診察は今月下旬。

時間が出来て考える事は、自分の体の中にある腫瘍がどんな奴なのかを知りたいって事。

なぜ小さくなったのか、縮んだのか。

今の病院では何人かの医師が画像や経緯をしっかりと観察して診断をしてくれている。

だけど他の医師にも話を聞いてみたいと思う。

手術の実績のある今の病院に不満なんてない。

手術に対する不安はあるけれど。

時間があるなら気の済むように動いてみたいとも思う。

大変な病気になってしまったんだから。

 

鎮痛剤止めてみる。

火曜日から鎮痛剤の服用止めてます。

腫瘍が小さくなった事で、身体にどんな症状が現れているのかを確認したくて。

 

トラマールをずっと飲んでいたので、そのお陰で痛みの無い生活を遅れていたもんだと考えていましたが、もしかしたら腫瘍が小さくなったおかげで今は痛みは発症してないのかも、と思いまして。

 

病気と上手く付き合っていかなきゃならない運命だから、あんまり深刻に考え過ぎちゃうことなくお気楽極楽前向きに色々試しながら生きていこうと思います。

退院。

手術予定日だった日の朝。

手術は9時00分からの予定でしたから本来なら術衣に着替え、コロナ禍ですが手術当日は面会が認められている家族1名(妻)と時間を過ごしている筈でした。


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でも目の前には朝御飯がある。

 

配膳されて直ぐに担当医、執刀医、部長先生が回診にいらっしゃいました。

 

「先生、俺、朝ごはん食べてて何だか不思議な気分です。」

「私もです。」

 

消えて無くなった訳じゃないので私が脊髄腫瘍患者であることに変わりはありません。

 

今後は先ずは短いスパンでの外来と検査で経過観察をしていく事になりました。

 

入院迄の予習期間で

○腫瘍は大きくこそなれ小さくはならない。

○治療方法は手術1択。

この2つは何処にでも書かれていました。

 

「脊髄腫瘍」「硬膜内髄外腫瘍」「神経鞘腫」「小さくなる」「5ミリだったらどうする?」ってググり方はした事無かったけど。

 

脊髄腫瘍と診断され、皆さんと同じ様に夢中で検索する中で、自分もブログを残そうと思いました。

お役に立てればって言うよりは「備忘録」或いは「生きていた記録」とか「遺書みたいなもの」って感じで書き続けています。

 

覚悟を決めて入院したにもかかわらず、急に退院となり、気持ちも体もどっと疲れが出ました。

 

手術をしなかった事で家族や友人は取り敢えず安堵してしますし、私もそれはあるんですけど・・・。

 

兎に角とても疲れた2泊3日の入院生活でした。

 

 

手術前日。その②

執刀医は3枚のMRI画像を持って来た。初診日(1枚目・5月中旬)、検査入院時(2枚目・6月中旬・造影剤)、昨日(3枚目・入院日・7月下旬)撮影の3枚。

 

「これが昨日のMRIの画像なんですけど。」と言われて見たそれ(3枚目)は何だか随分腫瘍が小さくなっていた。1枚目、2枚目と比較すると一目瞭然。せいぜい5ミリ程か。

ん!?

1枚目、2枚目は形はいびつだけれど2センチ以上はあったから。

 

冗談なんか言わないタイプだろうなぁ、愛読書はゴルゴ13かもしれないなぁって思わせる風貌のその先生は、ほんの少し、困惑したような気がしないでも無い笑顔で

「ん~、こんなに小さな腫瘍で手術する医者はいません。でも、腫瘍が小さくなるなんて想定していませんでした。」

「○○○さん(私)に対して切る必要の無い手術をする自信がありません。」(リスクを考えると)

「○○○さん(私)の希望も尊重したいし、強い希望があれば対処したいと思いますが・・・。」と話してくれたけれど、必要の無い手術をやって下さいとは言う気にもならないし、先生の気持ちも立場も理解出来た。

5ミリだし。

 

今回は手術を見送ることしました。

延期ではなくて中止。

前日の朝食後にそんな決断するなんて正に青天の霹靂だけれど、日常生活に支障を来していない、5ミリの腫瘍を取りきるために背骨ゴリゴリする「勝負」は出来ませんでした。

 

 

手術前日。その①

朝食後の病棟回診の時、執刀医が「昨日撮影したMRIの画像を持って後で来ますね。ちょっと話しましょう。」って言って来た。

 

腫瘍の大きさや位置、「切る場所」について最終的な説明をしてくれるんだろうと思うと気持ちが高ぶって来る。

リスク承知で覚悟決めて来たからなぁ。

勝利を信じていざ出陣!って感じ。

 


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手術迄あと2日。(入院当日)

妻と娘に病院迄送ってもらったけれど、今日は2人がとても優しかった。

退院してからも優しいままでいて欲しい。

 

病院が近い方が患者も家族も負担が軽くて済むから、身を預ける覚悟が出来てる私としてはこの病院を選んだ事に後悔は無い。

 

ただ、どんな手術でもそうだろうけど、最後まで不安は拭えないんだろうなぁ。

 

看護師さんが説明してくれた入院計画によると、翌日にはベッドの角度を30度傾けるみたい。可能な範囲で自力歩行もするらしい。

 

手術が極めて良い結果で終わった場合の予定表だけど、この計画通りに進めば嬉しい。


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